週刊 オサレのツボ

オッサンは読むべき服飾哲学

レプリカントの左腕で光り輝く真っ赤な嘘


高級ブランド時計のタイプの異なった数本を使い回す。

 

これが、何の苦労もいらない方法なのですが…

 

本気でやるとなると、数百万の軍資金が必要です。

 


もしも、強行突破して嫁にバレたらえらい事になります。

 

腕時計は男のロマンだと信じてやみませんが、女性の大多数はそれに理解を示しません。

 

夫婦喧嘩が、勃発です。

 

嫁がパートで稼いだ金は、嫁のもの。

ダンナが会社員で稼いだ金は、一家のもの。

 

子供の教育資金に月々の住宅ローンetc.

 

10%の消費増税も控えている。

 

毎月家計に伸し掛かる負担に追い討ちをかけるダンナの行為に嫁がぶちギレます。

 

「アンタの小遣いで、買えば良いじゃん!」

 

「………」

 

月4万円の小遣いで、どうやって買えと言うんですか?

 

煙草もダメ。

休憩中の缶コーヒーもダメ。

心のオアシスだったパチンコ、飲みもダメ。
「サヨナラ、◯◯ちゃん(お気に入りキャバ嬢の源氏名)…」

もちろん、昼メシ抜き!

 

それを一年間やって、やっと一本買えるか?買えないか?のレベル。

 

とてもじゃありませんが、買えません。

 


そして、最終通告を受けます。

 

「返してこい」

 

と。

 


時計を返品した帰りしな、一人夜道をトボトボ歩いていると様々な思いが脳裏を掠めます。

 

「Wワークで居酒屋バイトして、時計預金するか?」

 

「いや、若い店長や大学生の先輩バイトにオッサンだから虐められるに違いない」

 

他に何か良い案はないものか?と…ポケットに入っていたスマホで何気に『副業』とググると、そこには桃源郷が!

 

スマホをワンタップで、1ヶ月30万以上の副収入》

 

「キタ━(゚∀゚)━!」

 

「たった1分カンタン副業って書いてあるし…」

 

「捨てる神あれば、拾う神あり♪」

 


もしもし…

 

それ、神様じゃなくて悪魔ですよ。

 

口座残高が勝手に増える魔法のツールなんかありませんから。

 

甘い匂いに誘われて、下手に近づくと喰われちゃいます。


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つまり…

 

そういう事なんですよ。

 

FILE016のテーマは、

目利きが利く人間に進化する

…です。

 


家庭内で揉めてまで、高級ブランド時計を買う必要はないって事です。

 

そして、

 

詐欺られるな!と…

 


世の多くの一般人は、1本ないし2本の腕時計しか持っていません。

 

着ける腕が1本しかない以上、1本あれば十分事足りるのですが…

 

スポーツロレックスの最上位デイトナを持っていたところで、毎日毎日デイトナを着けていたらオシャレとは思われないわけでして…

 

「金、持ってんな」

 

とは、思われますけど。

 


限られた予算内で、複数本の時計を持つとなると1本当りの単価を下げなければなりません。

 

どうやって、下げましょう?

 

こういう手もあります。

 


■高級ブランド時計のコピー商品

 

ネットで検索すると幾らでも出てきます。

 

殆どのサイトからは、怪しい中華臭がプンプンします。

 

何故だか、ワンプライス。

 

どれも、同じお値段です。


香港経由の中華製コピー商品で、今だかつて高品質の物を見た試しがありません。

 

画像を見る限り、どうも本物を使用しているみたいで、果たしてこれと同レベルの物を本当に送って来るのか?、甚だ疑問です。

 


パチもんにもランクがあります。

 

中には、思わず本物と見間違えるようなスーパーコピーが存在します。

 

もう、時効なのでお話ししますが…

 

20数年前、

『ホンモノを超えたニセモノ』

という触れ込みで韓国製ロレックス/デイトジャストが、知り合いのルートから回って来た事があります。

 

東南アジアから入って来る、裏蓋を開けたら粘土が入っていた…何てレベルの代物とは大違い。

 

その重量感といい質感といい、本物と比べても何ら遜色ない出来でした。

 

素人目には、真贋の区別がつきません。

 

プロでも騙されるのか?確かめようと、大分の質屋に質入れしてみると…

 

なんと、

 

20万くらいになりました。

 

後から聞いた話では、ムーブメントはSEIKO社製だったそうです。

 


コピー商品のサイトは、ある意味良心的です。

 

ニセモノをニセモノと言って売っているのだから。

 

買っている方もニセモノだと分かって買っています。

 

商標法違反は、別の次元の話です。

 


問題なのは、買う側がニセモノと知らないケースです。

 

コピーは嫌だが、金はない。

 

何か、掘り出し物はないものか?とヤフオクを覗いてみると…

 

ある出品物に目が止まります。

 

ノベルティの名目で、オフィチーネ・パネライ等の高級ブランド時計が出品されています。

 

新品です。

 

海外に行った知人から譲り受けたので、詳しい事は分かりかねると…

 

入札価格はオークション終了間際になっても3万円程から大きく動きません。

 

パネライといえば、廉価モデルのルミノール  ベースでも50万円以上します。

 

ここで入札ボタンをポチって、めでたく落札。

 


そもそも、ノベルティグッズって企業側が優良顧客に対して無償配布する粗品の様な物で、時計等の高級品を配る事はまずあり得ません。

 

定価の1/10以下でホンモノが入手出来る程、世の中甘くありません。

 

スケベ根性を出すと痛い目に遭います。

 

 

 

コピーを推奨しているのではなく、そういう選択肢もある…という話です。

 

道徳心や倫理観のきれい事は抜きにして、本物そっくりの偽物がサラリーマンの1ヶ月の小遣い程度で買えるのもまた紛れのない事実なのです。

 

メンテナンスが出来ない以上、使い倒して壊れたら新しいコピーを買う。

 

そんな人もいると思います。

 


ただ…

 

コピーがワンプライスなので、「どうせなら…」と、パテック・フィリップリシャール・ミル等の超ド級腕時計で見栄を張りたくなります。

 

一般庶民が、1,000万円オーバーの腕時計をしていたら…

 

周りから見たら、コピーにしか見えません。

 

それでも、やっちゃう悲しい男の性。

 

 

前にも言った、トータルバランスが取れていないんですね。

 

一点豪華主義とは、こういう事です。

 

 

次週へ続く→