週刊 オサレのツボ

オッサンは読むべき服飾哲学

心理戦を制する一点安価主義という新たな思考


前回、前振りが長くなって全部入りきれませんでした。

 

お待たせしました。

 

ここからが、本番です。

 


所詮、コピーはコピーでしかありません。

 

幾ら他人を騙せても着けている当の本人は、ニセモノだという事実を知っています。

 

自分にまで、嘘を突き通すか?

 


もし、周りにパチもんだとバレたら…

 

貴方の信用は一気に失墜し、他の所持品まで疑惑の目で見られます。

 

それが嫌なら、違う戦法を考えなければなりません。

 

FILE017のテーマは、

対極にある物達の融合

…です。

 


前回は、コピーというタイガー・ジェット・シンのサーベル攻撃並みの反則技でしたが、今回は正攻法でいきます。

 

正攻法といってもスイス製の二番手ブランドやスイス以外の外国ブランドの機械式、国産の中堅ランクの機械式…

 

何処にでも書いてある様な、『アンダー10万円時計』や中古時計はここでは省きます。

 


■高級ブランド腕時計の対抗穴馬

 

横綱の高級時計とがっぷり四つになっても上手投げで投げられるか?寄り切られるだけ。


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ここは一つ、『猫だまし』的な奇襲攻撃で挑むのが常套手段。

 

そこで、目をつけたのが『デジタル表示』

 

チープなイメージのデジタル時計と聞いて驚かれたと思いますが、最後まで話を聞いてください。

 


腕時計のコストを下げるには、時計のムーブメントをクォーツ式にするのが手っ取り早く下がります。

 

ですが、

 

高級ブランドも採用しているアナログ表示をクォーツ時計で使うとなると…

 

多くの場合は、ただ安いだけの時計に成り下がってしまいます。

 

そこで、デジタル時計の出番です。

 

デジタル表示で、機械式の腕時計を知りません。

 

ハミルトン/パルソマティックを除いては…

 

パルソマティックも販売終了した現在、デジタル表示の腕時計を買おうとするとクォーツ式しか選択肢がありません。

 

選択肢がない以上、クォーツ式だからといって卑屈になる必要もないのです。

 


時計選定にあたっての縛りの条件は3つ。

 

◆時計専業ブランドである事。

◆ケース形状は、角型である事

◆ベルト素材は、ステンレス等の金属である事。

 

それでは、順を追って説明していきます。

 

前々回にファッション時計を扱き下ろしています。

 

 

今さら主張を変えると…

 

ブログの信憑性に係わります。

 

時計専業ブランドか?若しくはクォーツ式ですので電器関係、電子機器、精密機械メーカーが生産する時計に絞ります。

 


アナログ時計は中心点から延びる針が指している場所で時刻を知るという方式なので(一部、違う物もありますが)、ケースを円形にするのが一番理に適ってます。

 

中には、角形や小判形や特殊な物では三角形もありますが、大半の時計は円形になっています。

 

一方、デジタル時計はアラビア数字自体で時刻を表示するので、形状の制約がありません。

 

わざわざ、高級時計とカブる円形を選ぶ理由がありません。

 

レトロ感満載の角デジにしましょう。

 


皮革に、水分は大敵です。

 

真夏の暑い盛りに、革ベルトの腕時計をした事がありますか?

 

ベルトが汗でベトベトになって、直ぐダメになります。

 

サブの時計ならいざ知らず、メインで普段使いする腕時計はメタルブレスの方が後々メンテナンスがラクです。

 


集約すると…

 

専門会社が造ったケース形状がゴテゴテしてないメタルブレス装着デジタル腕時計って事です。

 

上記の3要素を満たしていれば、別にアナデジでも構いません。

 

要は、差別化で機械式時計には無いデジタル表示が付いていれば良いのです。

 


これは、あくまでもジャケットやドレスシャツの『キレい目Iライン』を念頭に耐えうる時計選びの観念で言っていますので、プルオーバーやパーカー等のカジュアル時は若干ニュアンスが異なってきます。

 

丸型や合成樹脂製でも腕時計が浮いていなければ問題ありませんが、ブレスレットと重ね着けする等してオシャレ感が前面に出る工夫が必要です。

 

ですが、

 

黒のカシオ/Gショック6900系は、やめてください。

 

理由は、猫も杓子も着けているから…

 

 

 

貴方は、仕立ての良いスーツをお持ちですか?

 

そんなスーツ姿のオッサンが、巷でよく言われている様な…

 

白文字盤、3針、黒革ベルトの腕時計を着けていたら、トータルバランスは取れています。

 

別の言い方をすれば、フツーなんです。

 

ドレスコードはありますが、格式張った場に居合わせるのならまだしも、ただのビジネスシーンの1コマの話でしょ?

 

そんな、ハウツー物のステレオタイプな発想ではなく…

 

イタリア製の高級生地を使った細身のカチッとしたスーツに、足元は泣く子も黙る聖地ノーサンプトンの英国靴。

 

その出で立ちで、『チプカシ』のフルメタル風デジタル腕時計を着けていた場合、他人はまさかスイス製の高級腕時計を買う金がないとは思わないわけです。

「何か魂胆があって、やってんだな」

と。

 

真の狙いは、そこにあります。

 

いわゆる、トータルバランスを意図的に崩す『ハズし技』です。

 

人間の心理を逆手に取った作戦です。

 

ですので、腕時計以外の他のアイテムで品格を演出し、腕時計のチープ感を払拭出来なければ…

 

この作戦は、失敗します。

 

じゃあ…

 

逆を言ってみましょうか?

 

紳士服量販店の2着目半額のスーツに靴流通センターのセメント製法の革靴で、ブランパン/ヴィルレ ウルトラスリムを着けていたら…

 

それは、ただ『ハズれ』ているだけです。


高級機械式腕時計も安価なデジタル腕時計も着け方次第で、オシャレにもダサくもなります。

 

 

デジタル表示の腕時計は、一部の高級時計ブランドのアナデジや18金アップルウォッチを除いて、高額な物はありません。

 

言い換えると『一山なんぼ』のアイテムしか選択肢がないのです。


高級スーツと安価なデジタル腕時計。

 

この相反する2つが1つのカタチになった時、『ハズし』のファッションスタイルが完成します。

 

難しいミッションですが、貴方はクリア出来ますか?