週刊 オサレのツボ

オッサンは読むべき服飾哲学

『白に始まり白に終わる』ドレスシャツの原点回帰


フォーマルは当たり前にカジュアルをもこなす。

 

言うなれば、名門高校野球部のエースで4番。

 

背番号1を背負った、ファッションアイテム界の大谷翔平的存在のドレスシャツ。

 

その秘密は、大抵のパンツやアウターと融和する汎用性の高さにあります。

 

そして、

 

ドレスシャツが、似合わない男子などいません。

 

どんなに、ブサ男でもです。

 


フツーの男子が、スカート等のレディースアイテムを着用して街中に現れると…

 

白い目で見られるか?「変質者がいる!?」と、警察に通報されるか?の二択ですが、女子の場合はそれがありません。

 

男っぽい服を着てても『ボーイッシュ』と呼ばれるだけで、それがアイデンティティになります。

 

今までメンズアイテムと思われていた物が、次々と女子に侵攻されていきます。

 

〈メンズファッション〉
カッコいい→◎
かわいい→×キモい

 

〈レディースファッション〉
カッコいい→◯
かわいい→◎

 

不公平です。


しかし!

 

本を正せば、男性用の下着だったドレスシャツだけは別枠です。

 

シュッとした男役のタカラジェンヌよりもそこら辺のくたびれたサラリーマンの方が断然似合います。

 

男女で、身体のラインが異なるからです。

 

ただ…

 

似合う似合わないとカッコ良い悪いは、別物です。

 

どうせなら、カッコ良い方が良くないですか?

 

FILE025のテーマは、

男に残された最後の砦

…です。

 


『抜け感』を醸すのに、最適なドレスシャツですが…

 

一口にドレスシャツといっても、ユニクロの2,990円の長袖シャツから頂点に君臨するアンナ女史の10万円オーバーのフルオーダーシャツまで様々。

 

ネクタイを締める可能性がある以上、首回りは言うまでもなく…

 

サイズ感が、命になります。

 

以前、『服は肩で着る』とお話しました。

 

 

このサイズ感が意識高い系のオッサンの様に小さいと動きづらかったり、ただのオッサンの様に大きいとジャケットを羽織った時に中でシャツがダブつきます。

 

ジャストサイズが、基本中の基本です。

 


下着だった当時の名残で、肌が直接触れてジャケットを汚さぬよう、今でも襟と袖はシャツが顔を覗かせています。

 

今風に言えば、『プチレイヤード』。

 

クールビズが出始めの頃、羽田元首相が半袖のスーツを着用していたのを覚えていますか?

 

カッコ悪いでしょ…

 

実際に販売されなかった事からも分かるように『ジャケットは長袖』と相場が決まってます。

 

当然、下に着るドレスシャツも総じて長袖がスタンダードという事になります。

 

半袖のドレスシャツは、これからの季節そこらじゅうで見掛けます。

 

どう見ても、カッコ良く見えないわけでして

 

ただのオッサンがよく着ていますが、スタンダードではない服をオシャレに着こなすのは至難の技です。

 

わざわざ、地雷を踏む必要はないと思います。

 

「夏場は暑くて敵わん」と、言うのなら七分袖のドレスシャツにするか?いっそのこと半袖のオープンカラーシャツにした方があか抜けて見えますよ♪

 


袖丈同様、着丈も重要なポイントです。

 

そもそも、前身頃と後ろ身頃が短いシャツは、パンツから出す事を前提に作られています。

 

無理矢理タックインしたところで、いずれ出てきます。

 

逆に、両身頃が長いシャツを出して着てもだらしがないだけです。

 


生地…カラーのタイプ…カフスの仕様etc.細かな事を言い出すとキリがないので、今回はサイズの話だけにしておきます。

 

 

 

オッサンとドレスシャツの付き合いは古く、中学生に上がった時に着る『カッターシャツ』に端を発します。

 

それから、数年が経ち…

 

社会人になって、とりあえず『ワイシャツ』を着るようになります。

 

暫くすると…

 

ワイシャツの語源にもなっている地味なホワイトシャツ一辺倒で生きてきた反動で、ブルーやピンクの色物、ストライプやチェックの柄物を着始めます。

 

そっちの方が、オシャレに見えるから。

 

何か…遊び人っぽいでしょ?

 

でも、

 

時が経ったある時、ふと気づきます。

 

一周回って、ドレスシャツは白が一番だって事に。

 


下着繋がりで言えば、女性のランジェリーと一緒です。

 

高校生になり、好きになった先輩が穿いている妖艶な雰囲気の色物に尻尾を振りまくっても…


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結局、行き着いた先は中学生の時の彼女が穿いていた白だった。



男の思考回路なんて、一様にそんなものです。

 

色は同じでも中学生のカッターシャツと比べて、素材もシルエットも細かなディテールもレベルアップしています。

 

女性の下着も一緒です。

 

 

下着は、白に限るのです!


嘘だと思うなら、貴方も白いドレスシャツを着て、鏡の前に立ってみてください。

 

他の色よりも、白が一番しっくりくるでしょ?

 

しかも!

 

白シャツは、若者よりもオッサンになる方が遥かに様になります。

 

これ迄の経験値から来るものです。

 

若者は、どうしても『着られている感』が拭えません。

 

余程シルエットに気をつけないと、『新卒サラリーマン臭』が漂います。

 

ただし、上質なシャツにしてくださいよ。

 

シンプルが故に、ゴマカシが効きません。

 


気をつけてほしいのが…

 

白だと生地が薄いシャツの場合、透けて見えることがあります。

 

ビーチクが。

 

…!

 

ニップレス貼りますか?

 

…?

 

それじゃありません。

 

こういう時は、ベージュのVネックTシャツを着てください。

 

シームレスの。

 

フツーのTシャツだと、二の腕にラインが浮き出ます。

 

タイトなボトムスや着物を着ている女性のパンティラインと同じです。

 

見せてはならぬものです。

 

ユニクロでも売っています。

 

ユニクロで、2,990円のドレスシャツ買うくらいなら990円のアンダーシャツ買いましょう。

 

見えるところにコストを掛けて、見えないところでコストを落とす。

 

これ、鉄則です。

 

ですが…

 

決して、他人にその姿を見られないでください。

 

『なんちゃって素肌』とか見られた日には、顔から火が出るくらい恥ずかしいですよ。