スーツスタイルでの足元を固めてこそ洒脱の真髄
ラバーソールの革靴が、好きではありません。
梅雨空には、濡れたマンホールの上を歩いても滑らないし、最適だと思います。
ですが、
レザーソールで、木材や石材の床を歩くと鳴る、
あの…
「カツッ、カツッ」
という靴音が、堪らなく好きなのです。
本格靴というならば…
コバの張り出しを抑えて靴をスマートに見せるために、マッケイや最悪セメントで作っている革靴は、正直ナシだと思っています。
幾ら、高級ブランドだろうが…
あの張り出したコバこそが、グッドイヤーウェルト製法の証。
そもそも…
我々日本人は、足をしっかり踏みしめて大地を耕していた農耕民族の成れの果て。
獲物を追いかけて走り回っていた狩猟民族の子孫である欧米人に比べて、足のワイズが広くコバが張っていようがいまいが、革靴姿がシャープにはならないのです。
そう言われて…
コバの張った激安靴を見つけては、
「ラッキー☆」
と、思ったのも束の間。
良く見ると…
出し縫いの縫い目模様が、成形されただけの『フェイクグッドイヤー靴』に遭遇する事があります。
靴底を見ると…
ステッチが、見えない。
「ヒデュンチャネル?」
違います。
縫わずに接着剤でくっつけているだけだから、最初から縫い目はありません。
騙されないようにしましょう。
革靴に対する私見を述べたところで、
FILE028のテーマは、
決着は、お座敷バトルでつける
…です。
スーツスタイルに、革靴は必須アイテムです。
多種多様な革靴の中で、どのような靴を履けば良いのでしょうか?
あちこちで、スーツ姿には黒の内羽根式ストレートチップにしておけば、間違いない…と、仰ってます。
「社会人たる者、エチケットをわきまえよ」
仰ることは、分かります。
しかし、
間違えるのも、また人間。
春・秋の園遊会に招待されたり、経団連の総会に出席するクラスの人なら履くべきですよ。
そうでないのなら…
実際問題、本人の好みでなければ葬式以外では、余り必要ないと思います。
黒の内羽根ストレートチップのドレスコードがある、職場や取引先の仕事って…
どんだけ、エグゼクティブな仕事?
結婚式で、どうのこうの言いますが…
大丈夫です!
結婚式の一出席者の靴なんか、誰もまじまじと見ませんから。
黒の紐靴だったら、何でもOKです。
前でスピーチするとか、列席者サイドなら履いているに越したことはありませんが。
『越したことはない』
…そんなレベルです。
どうしても履く必要がある時は、レンタルしましょう。
シェアリングエコノミーです。
滅多に履かない靴に、資金と保管スペースを捻出する意味はありません。
「それじゃ、何履くの?」
基本は、カチッとした印象のある紐靴です。
オススメは、ビジネスシューズに向いていると言われている靴は茶系や外羽根にして、向いていないと言われている靴を黒や内羽根にして、他者とは違う靴を履く差別化戦略です。
社会の既成概念に対する、オッサンのささやかな反抗です。
例えば…
ストレートチップやプレーントゥを茶系にして、ウイングチップやUチップを黒にする。
そして、
グレーやベージュ等の薄い色のスーツには黒の革靴を履き、黒やネイビー等の濃い色のスーツには茶系の革靴を履く。
簡単でしょ?
ブローグは、お好みで…
後、変則技でモンクストラップを履くとか。
脱ぎ履きが、ラクですよ♪
究極は、ホールカットです。
正に、アルティメットシューズ。
ワンピースとも呼ばれています。
ワンピースは、色んな意味で凄いのです。
一切の無駄を廃した、シンプル・イズ・ベストの権化です。
パティーヌが施されたグラデーションの個体に出会った日には、あまりの美しさにため息が出ます。
最高峰のベルルッティだと30万円以上するので、一般人が屋外で履く代物ではありませんが…
日本では、屋内で外履きを脱ぐ文化があります。
それをわざわざ、脱ぎ履きしにくい内羽根を好き好んで履く理由が、分かりません。
リーガル製、黒の内羽根式ストレートチップを履いて、社内ではエチケットをわきまえたツウで通っていても…
同僚達と仕事帰りの合コンで、飲食店の小上がりに上がった時からバトルは始まります。
靴は、脱ぎ口から見える踵の部分に必ず、ブランドネームが入っています。
履いている時は、1万円だか10万円だか曖昧だった靴の価値が顕になる瞬間です。
関心事が、デザインからブランドに移ります。
そして…
革靴の世界は、完全なヒエラルキーが形成されています。
「高けりゃ良いもんでもないじゃん!」
仰るとおりなんですが…
この国は、資本主義です。
リーガルのオーナーは、ジョージ・クレバリーのオーナーには、どう逆立ちしても勝てません。
レクサスが、メルセデスに…
セイコーが、ロレックスに勝てないのと同じです。
かといって、10万円近くする英国靴を仕事用に3足使い回して対抗するのも、経費で落ちないサラリーマンからすると、現実的ではありません。
そういった靴は、プライベートに回すとして…
そもそも、
リーガルで勝負するから、英国靴にボコボコにされます。
リーガルとか、ファッションに興味がない人も知っているブランドです。
相手だって、たまたま通りすがりの伊勢丹メンズ館でジョージ・クレバリーを買っただけのファッション音痴かもしれません。
そんな時は…
探せば3万円くらいで、知る人ぞ知る革靴が手に入ります。
勿論、グッドイヤーです。
幾ら靴好きで靴ブランドに精通していても、全ブランドを網羅している人は殆どいません。
「あ~、見たことないブランドだな」
これで終わらせておけば、負けは確定しません。
20~30代の若い世代で、1足の靴を毎日履き倒しているサラリーマンの様にならないでください。
大抵が、ロングノーズのトゥが反り返った靴を履いています。
酷使する上にセメント製法の安物だから、爪先のアッパーとアウトソールが剥がれかけている、通称『ワニ靴』になってしまってます。
こんな靴は、素人が見てもチープさがバレバレです。
革靴は、履いてみないと微妙な感覚が分からないので、ネットでは買えないものだと思っていました。
サイズとワイズを頼りに、バーゲン品を一か八で買う以外には。
ところが、
ZOZOTOWNが、またやってくれました。
その名も『ZOZOMAT』
今回は、送料も0円。
予約受付中。
急げ~! C=C=\(;・_・)/