週刊 オサレのツボ

オッサンは読むべき服飾哲学

タイトでもワイドでも過ぎぬ事が魅するコツ


基本的に着ている服がタイトになればフォーマル寄りにワイドになればカジュアル寄りになります。

 

なので、服がダボダボになればだらしがなく見えるのですが…

 


『シルエット』とか言うと小難しく聞こえるかもしれませんが、タイト(細目)orレギュラー(普通)orワイド(太目)の3パターンをトップス、ボトムスの2ヵ所に当てはめると…

 

3×3=9パターンしかありません。

 

乱暴な言い方をすれば、それだけです。

 

名古屋競馬の3枠フォーメーションのレアな枠単馬券のようなものです。


その中でレギュラーサイズは現在のトレンドではないので、タイト、ワイドの2パターン×上下で4パターン。

 

更に本線がタイトなので、タイトを必須要件にするとOラインを除いた3パターンしか存在しません。


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これだけ分かっていれば、オサレ星人ならぬオシャレ星人になれます。

 

FILE003のテーマは、

タイトの服  ワイドの服  オッサンの服

…です。

 


ただのオッサンは、トップスがサイズ違いの大きめ若しくはレギュラーサイズ+ボトムスはレギュラーサイズのストレートのシルエットの場合が多く、パッとしない色使いに加えてこのメリハリのない中途半端なシルエットが、周りからダサいと言われる元凶なんですが…

 

こうなるには、本人の無関心さは基よりサラリーマンにありがちな財布の紐を嫁に握られ、生活必需品は現物支給という家庭環境にも要因がありそうです。

 

 

子供が大きくなるにつれ、家庭消費の主役の座を彼等に奪われた結果、

 

ダンナの服選びの基準が、

『デザインより価格』

に移行していきます。

 

そもそも、一般女性が男性ファッションのイロハについての知識や興味がある筈もなく、日々の買い物ついでにイオンでトップバリュ製品を調達してきたりします。

 

シルエットもへったくれもありません。

 


今回のお題を完全無視するただのオッサンは、さておいて…

 

■Aライン
上半身をタイトに下半身をワイドにして、全体のシルエットをアルファベットのAの形にする。

 

■Iライン
上半身、下半身共にタイトにして、全体のシルエットをアルファベットのIの形にする。

 

■Yライン
上半身をワイドに下半身をタイトにして、全体のシルエットをアルファベットのYの形にする。

 

以上です。

 


それでは、個別に見ていきましょう。

 

まずはAラインから。

 

スウェーデンのヌーディージーンズが、仕掛人と言われる昨今のスキニーブームの反動からか?ここ数年は、ワイドパンツがチラホラ出てきてます。

 

このワイドパンツにタイトなトップスを持ってくるのがAラインなのですが、オッサンにはNGです。

 

あちこちで、

ベッカムが、このスタイル」

等と書かれていますが、ベッカムだからサマになるのです。

 

貴方の体型は逆三ですか?

 

プロスポーツ選手やレスキュー隊員等、職業柄鍛えられた肉体の持ち主ならカッコいいのかもしれません。

 

逆に中年太りや虚弱体質のガリガリ君がピタッとした上半身を晒してカッコいいですか?


同世代の貴方に分かりやすく説明すると…

 

中高生の頃に着ていた『2タック ボンタン』+『短ラン』の学生服と同じ構図ですよ!

 

『CREAM SODA』が流行った時代です…

 

「今さらビー・バップ・ハイスクールやりますか?」

って話です。

 


続いてIライン。

 

意識高い系のオッサンが、好むスタイルです。

 

股上浅めのタイトなパンツにウエストラインをギュッと絞ったテーラードジャケットを着込んだ姿はシュッとしており、今どきの若い子はだいたいIラインです。

 

スッキリしているシルエットが、男女を問わずに好感度高し。

 

タイトにサイジングしている服は、可動域を確保する為にストレッチ素材を使ったり立体裁断をしたりして、肩幅は変えずに身幅を詰めたり袖丈は変えずに着丈を詰めたりして局部的にサイズを変えてきてます。

 

サイズが小さな服を着るのとは、意味が違います。

 

たまに、何処でどう間違えたのか?ギャル男みたいになっているオッサンを見たりします。

 

大抵は、チョイスしているアイテムが明後日の方向を向いているので、選択する服やアクセサリーは厳選してください。

 


最後にYライン。

 

冬はどうしても着膨れしやすいので、今の季節はYラインがいつの間にか出来ています。

 

スキニーパンツのトップスにビッグシルエットのセーターやアウターを羽織って出来上がり。

 

インナーでIライン、アウターでYラインと一粒で二度美味しい変則技も使えます。

 

ボリューム感を出すために肩をドロップショルダーにしたり身幅をより多めに取ったり、あるいは袖丈をわざと11分丈にするなどしてデザイン性を持たせてあるのです。

 

サイズが大きな服を着るのとは、意味が違います。

 

中年太りのオッサンに対して…

 

トップスはオーバーサイズ、ボトムスはテーパードがかかったジョッパーズパンツを

《無理なく着れて、Yラインに見える方法》

みたいに奨めているのをたまにネットで見かけますが、それは無責任というものです。

 

そんな『なんちゃってトレンド』で誤魔化して、スーツを着る機会が来たらどうしますか?

 

スーツ姿にYラインとかありません。

 

そんなオッサンは、アパレルショップへ行く前にジムへ行くべきです。

 

コミットするところが、違います。

 

オシャレになる前に肉体改造でしょう。

 

 


何度も言いますが、着用サイズ自体を変えないでください。

 

タイトにしろワイドにしろ、それを踏まえてサイジングされてます。

 

それなのにサイズを小さくしたり大きくしたりするとバランスが崩れます。

 

 

AだのIだのYだの三者択一みたいな事言っておいてアレですが、このブログの主旨である『残念なオッサンを反面教師とする』ならば…

 

だらしがなく見えずに清潔感を醸しながら『イケてるオッサン』を演出するには、実際のところIラインを基本にするしか選択肢がありません。

 

Iラインは、若者の多くもやっています。

 

ガチで若者とシルエットが被ってしまったオッサンは、この先一体どう立ち回れば良いのやら…